2010年10月17日日曜日

サービス・マネジメント ベニハナ・オブ・トーキョー

個人的には、
秋学期の授業の中でNo1
春学期を通してもNo1だと感じている授業

ベニハナ・オブ・トーキョーのケース

[大切なこと1:ケースのお作法]

まずは、ケースをやる際の基本的な事がやっとわかった
よくケーススタディでこの企業がなぜ成功したのか考える
というのがあるのだが、

成功ってなんだ??
っていつも思ってた

そもそもそんな事はビジネススクールの人間ならわかっていないといけなかった、、、

成功のひとつの尺度としては

ROE、もしくはROAなどの財務指標が良いこと
そして、それがどうしてうまくいっているのかをビジネスモデルに落とし込んで考える
これがケーススタディの基本のキでした

ROA = 売上高利益率(利益/売上高) × 資産回転率(売上高/総資産)

が高いということは利益率が高かったり、資産回転率が高かったりという
ビジネスの仕組みがうまく回っている要因がある
これを分析する事が大切なのだ

それを分析するための枠組みとして
活動マップ分析というのがある
これは、一つ一つの活動をマッピングして相互の活動の関連性を把握し、
さらにはその活動がどう財務指標に影響を与えているのかを分析する枠組みである

これは後付けで分析するときだけではなく、
今現在進行している自社の戦略を立てる時にも役立つ非常にいい枠組みだと思った
(活動マップの代わりにバリューチェーン分析をしたりもする)

[大切なこと2:良いビジネスモデルの4つの条件]

・効果
・効率
・模倣困難性
・拡張性(多店舗展開可能性、他の国への進出、他の商材への展開)

[大切なこと3:多拠点展開のジレンマ]

・各拠点の市場環境の異質性
 -需要の異質性
 -競争の多様性(売れ筋、顧客、競合情報のマネジメント)

・人的要因による社内オペレーションの非効率
 -マネージャーの管理能力
 -スタッフの業務遂行能力(クオリティ、スタッフ能力のマネジメント)

サービス産業は上のような要因が強く影響をするので
(特に人的要因による社内オペレーションの非効率)
製造業のようにたくさん作れば作るほど(拡張すればするほど)、
規模の経済が働くのでビジネスがうまく回る、というものではない


グローバル企業の経営戦略 第二回 総合商社

いくつか面白かった話

1.アメリカのカントリーリスクは何か?

カントリーリスクと言われると、

タイのような政情が不安定な国や
中国・ロシアのように政府が経済に介入してくるような国を思い浮かべていたのだが、
アメリカにもカントリーリスクがあると言う

あのアメリカにカントリーリスクって何だろう
言われてみればなるほどなって思ったし、
すでにグローバル化が進んでいる企業は気をつけていることだと思う

それはずばり訴訟リスク

最近で言えばメキシコ湾の油流出事故
あれも運営会社に何%か出資していたとかそれだけで
訴訟対象になってしまうのだから恐ろしい

アメリカの会社はそんな時どう対応するかというと、
すぐ倒産してしまうらしい、
倒産すればそれ以上お金をぶん取られることもないから
倒産して次のビジネスをするんだとか

日本の企業はコーポレートブランドや、
会社というのを存続したがるからそういう合理的な打ち手が打ちにくい
だから困るらしい

他には英語の下手くそな日本人が、
ちょっと気の利いた事を言おうとしたのが誤って伝わり、
後々、訴訟される事もあるらしい

特にセクハラ関連は気をつけた方がいいとのこと

うちの会社、この間アメリカの企業を買収していたけど
大丈夫だろうかとかなり不安になった

2.EUROへの進出時の問題

EUROではいわゆる同一労働同一賃金が厳格に守られるため、
部長クラスの日本人を送り込むとEURO圏の同ポストの人材と比べて
給与水準が高すぎる(商社でいえば倍くらいらしい)

だから日本人を送り込みにくい

同一労働同一賃金というのも結構曲者だ


世界でビジネスを展開するには本当にいろんな壁があるもんだ

この授業は体系だっているわけでもないし課題が多いわけでもないから、
ただ受講しているだけだと何も得られずに終わってしまうのだが、
実際に世界でビジネスを展開してきたゲスト講師の方の話が中心なので
課題意識を持って真剣に聞いていれば
机上の空論には出てこない生々しい現場の課題が見えてくる

次回も非常に楽しみだ