2010年8月19日木曜日

失敗に寛容な組織をつくる

ここのところ、組織内で二つの考え方が
まっこうからぶつかっている気がしている

個別に聞いてみるとどちらも正論なんだが、
一方の正論は自分にとってなんだかとてもしっくりこない


毎回、「うーん正論なんだけどな」と頭を抱えていた
言っている事はまっとうで、論理的に考えれば非の打ち所はないかもしれない

でも何かが違う

自分の中の直感がそうアラートをあげていた

そんな中、偶然にもHBRの9月号の論文の中に答えを見つけた
それは「失敗は成功の反語ではない」という言葉で

「失敗に寛容な組織を作る(和訳)」という論文の中に出ていた
(原文はこちら)

結局、二つの意見の対立というのは、

1.調査が足りない、そんなニーズどこにあるのか
 もっと詳しく調べてからじゃないと商品なんて作れない

2.どんなに詳しく調査しても、正解はわからない
 ある程度納得できるレベルで調査・設計ができた段階で
 まずは実験的に商品を投入してみるべきだ

という対立だ

結局「ある程度納得できるレベル」の個人的な感度にもよってしまうのだが、
今までの経緯を鑑みれば

1.の意見を主張する人は
過度に失敗を怖れるタイプ

2.の意見を主張する人は
失敗してもいいから新しい価値創造に重きを置くタイプ

どちらも組織にとっては大切な人材
ケースバイケースだし、どっちにしたってあたるかはずれるかはわからない


ただ、個人的には1.の意見を主張し続けているだけでは
この先も行き詰るんだろうなって直感的に感じてしまっていた

はっきりいて今僕の所属する業界、マーケットの見通しは非常に不透明だ

でも幸い弊社には資金力と新しいことにトライしていく人材がそろっている

さらに言えば、今までも失敗を怖れずに
たくさんのビジネスにチャンレンジしたからこそ伸びてきた企業である

自分自身はこの企業文化こそが競争力の源泉だと思うし、
逆にこれ以外に強みという強みなんてないに等しい

だからこそ、この論文が自分の心に刺さったんだと思う
詳しくは直接論文を読む方がいいと思うが、
せっかくなので自分自身が大切だと感じたことを簡単にまとめる

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「成功への最短距離は、失敗の確率を二倍にすることである」
IBMの創業者 トーマス・ワトソン・シニア

[失敗に寛容なリーダーの資質]

-エンゲージメントリーダーシップ
成功を追及すること以上に、自分の組織の知的資本、
つまり社員の経験や知識、想像力の強化に焦点をあてる
その手段となるのが「エンゲージメント」である

-失敗の公表
リスクを恐れない環境を整えるうえで、
マネージャーがみずからの失敗を公表する以上に効果的な手段はない

-競争絶対主義の危険性を知る
競争は、問題を解決し、プロジェクトを前進させること以上に
相手に勝ちたいという願望を生み出してしまう
しかもこの過程で、イノベーションに欠かせない情報の自由な流通が阻害される