2011年1月25日火曜日

ザッポス伝説

顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか
トニー・シェイ 本荘 修二 監訳/豊田 早苗 訳/本荘 修二 訳

ダイヤモンド社 2010-12-03
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ついに、というか、やっと、というか
初めてiPhoneで電子書籍を読んだ記念すべき一冊

ビジネス"小説"(もちろん小説ではないんだろうけど)として

「ザッポス」というビジネスの生い立ちを読み解くにはちょうどいいくらいの軽さだった

直感的な感想は「ザ・ゴール」を読んでいるようなイメージ
もちろん内容は全然違うしザ・ゴールの方がよりオペレーション手法の解説に重きがある
けれどもビジネス小説という感覚で読めば同じようなわくわく感を持ってサクサク読める

内容としては大きく分けると2つの流れになっている

はじめに
「ザッポス伝説」を築き上げた人物のバックグラウンドの共有

著者であり、社長であるトニー・シェイの
人生観というか、行動の基準になっている人となりを
少年時代から大学、起業に至るまでの人生を追いながら紹介する事で
物語の序章としての役割を果たしつつ読者と物語の背景・コンテクストを共有していく

ある意味で「起業する」人物がどんな特殊な人間であるかというのを
表現している部分でもある
また、その特殊性を許す土壌があったというのも重要なポイントかもしれない

いずれにせよ、彼の思考・人となりが共有されるので物語に入っていきやすい
ただ、若干盛り込みすぎて飽きてしまう部分も出てくるので、
ある程度人物像をつかんだら読み飛ばしてもいいかもしれない

メインのテーマは
「ザッポスが軌道に乗っていく過程」が描かれている

基本的には、
従業員満足度が高まると
サービス品質が高まる
すると顧客満足度が高まる
そしてそれによって事業の成長・収益性の向上がもたらされる
といういわゆるサービスプロフィットチェーンの好循環の話として捉えれば
大した感動もない話しだし、新たな気付きなんてものはほとんどない

ただし、一つ一つの打ち手、考え方が実務レベルで紹介されているので
表面的なビジネス書を読むよりよっぽど共感できるし、すんなり理解できる

サービスプロフィットチェーンの考え方を体系的に理解したいのであれば
この本を読む前に別の書籍を一読した方がいいかもしれない

例えば下の本などは、サービス全体の事が簡易に書いてあってわかりやすい
サービス・マーケティング 【第2版】サービス・マーケティング 【第2版】
近藤 隆雄

生産性出版 2010-08-27
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ちなみにサービスプロフィットチェーンは下のようなフレーム


とはいえ、サービスマネジメントの授業で教わったように

従業員満足度が高まると本当にサービス品質はあがるのか?
サービス品質が高ければ顧客満足度は本当に高まるのか?
顧客満足度が高まれば売上は本当にアップするのか?

という部分についてはザッポスがとった一連の打ち手の一つ一つが
どうROEにどう影響を及ぼしているかというのをもう少し詳しくみてみないといけない
が今のところそこまで読み解けていないので
もう少し余裕ができたらちゃんと加筆しよう、、、