2010年10月19日火曜日

グローバル企業の経営戦略 第三回 資生堂の中国展開

1.中国で流通の革新
「直販制度」を採用
直販制度はいまや中国で当たり前の制度となっている

2.ボランタリーチェーンの課題への対応(ナレッジ移転)
美容部員の育成のため当初は来日し研修を受けていた
この初期段階の研修を受けた部員が現在は中国で部員を育てている

3.中国文化への適応、美容文化の啓蒙
そもそも過去、中国では化粧が制限されていた
(贅沢品として政府が規制していた)
この規制がなくなったときに資生堂は美容という文化を啓蒙していった
これが結果的に資生堂ブランドの根っこを作ることになった

4.中国でのブランド戦略
中国での所得ピラミッド構成と競合マッピングの分析から
ぽっかり空いている(今後大きく拡大する)事に気付いたプレステージマーケット
そこを狙った中国専用ブランド「AUPRES(オプレ)」の投入が
結果的に資生堂が中国でトップでいられる要因
ちなみに中国人はAUPRES(オプレ)が資生堂のブランドだと気付いていないそうである
(確か売上:1位:AUPRES(オプレ)、2位:資生堂)

5.偽者の存在とブランドコントロール
中国では当たり前のように偽者が流通する
偽者が販売される例としては
まず、正規品が数本購入される
その正規品を店頭では展示し、正規品が販売されているように見せる
しかし実際に売れた後に手渡すのは裏に置いてある偽者

たぶんこういう偽者流通の背景があるから
地方のマスマーケットに向けて
資生堂ブランドでのボランタリーチェーンの展開を急いでいるんだろう

個人的には資生堂ブランドでのボランタリーチェーンの地方展開は危険な気がする

なぜなら、日本でもそうであったように身近の小さなお店で売られている商品は
安っぽい陳腐なブランドに成り下がるリスクがあるからだ
少なくとも高級ブランドにはなりにくい

リスクと隣り合わせのこの決断がどうなるか、今後も注視していこう

6.BOP市場
昔の日本市場はまさにBOP市場だった

BOP市場への参入にあたっては、
昔日本が何をしてきたか、という経営史を学ぶとヒントがあるはず

例えばミシン
アメリカから入ってきたミシンは高価で庶民には手が出なかった
アメリカでは既に割賦販売が始まっていたが、
そもそも日本の庶民では分割された1/10の金額が払えない、、、
そこでジャノメ、シンガー社がとった方法は

高校生の女学生の所へ積立を薦める(月500円くらい)
この積立が20代前半で1.5万円~2万円貯まると
その女学生にミシンを渡す

まさにBOP市場をアイデアで攻略した事例だ


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